反省だけで終わらず「失敗の原因」を突き止める(和田秀樹)

テストで悪い点を取ってしまった。

「終わったことは仕方がない。今回は集中して勉強できなかった。次こそは頑張る」

 これはとてもポジティブな思考法だ。結果や過去を変えることはできないが、まだ決まっていない将来は、自分の力でどうにでも変えられる。だからこそ頑張るのだ。

 ただ、そう決意したものの、次回も同じように結果を出せなかったり、同じ失敗を繰り返したりして凹むことがある。

 何がまずいのか。いつも「反省だけ」で終わっているからではないだろうか。反省するだけでなく、失敗の具体的な原因を突き止める。これが大切だ。

 さっそくこれまでの定期テストを引っ張り出してきて、どんなところで失点しているかを分析してみよう。特に、毎回同じようなミスで点を落としていないかに注意しながら。

「計算ミスでいつも10点以上損をしている」

「英単語のつづきミスで毎回減点されている」

 挙げればいくつも出てくる「同じ失敗」の数々。その原因をさらに突っ込んで探ってみよう。

 たとえば、計算ミスでの失点の原因は、「基本的な計算力の不足」や「見直しをしていない」などだろう。

 単に、「ケアレスミスだった」とか「運が悪かった」ですませるのではなく、原因を突き止め、その「課題と対策」を考える。

「毎日15分計算トレーニングをする」「途中の式も省略せずに書く」「計算途中での随時チェック、最後の見直しをキッチリやる」……。

 これも考えるだけで終わっては意味がない。日々の勉強のなかで「課題と対策」をきちんと実践し、習慣化させる。

 行動して結果を出す。それは一番の“クスリ”だ。

「原因」と「課題・対策」は、紙に書き出しておこう!

人間は忘れる動物だ。特に「都合の悪いこと」「不快なこと」ほど忘れやすい。そこで、失敗の「原因」を突き止め、「課題・対策」が浮き彫りになったら、すかさず紙に書いて目に見えるところに貼っておこう。

引用文献『和田式 勉強のやる気をつくる本 やれない自分を変えるちょっとしたアイデア75』

(和田秀樹著 学研教育出版)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次