「暗記」3:「問題集」7が勉強の黄金比
受験生に限らず、社会人になっても昇進試験、資格試験、国家試験など、各種試験を受験する機会は多いと思います。忙しい社会人は、できるだけ短時間で効率的に勉強して、最大の結果を出したいものです。
あなたは試験のとき、教科書派ですか? それとも、問題集派ですか? 教科書中心、暗記中心の勉強をするのか、それとも問題集や模擬テストなど実践的な勉強をするのか。どちらの勉強が、より効率的に記憶できるのでしょうか。
ワシントン大学の研究では、学生に40個のスワヒリ語の単語を暗記してもらう実験を行いました。
入力(記憶)に関して「全問」を記憶し直すのと、「ミスした問のみ」記憶し直すパターン。出力(確認テスト)に関して「全問」をテストするのと、「ミスした問のみ」テストするパターン。この組み合わせを4つのグループにわけ、単語を記憶してもらいました。
結果は、入力方法の差では違いはなく、出力で常に全問をテストしたグループが高得点をとったのです。
つまり、記憶においては、インプットよりもアウトプットが重要。できるだけたくさんの「問題を解く」ということが、記憶に残すためには重要であることが明らかになりました。
教科書や参考書を読むというのは、インプットです。問題集を解く、過去問を解く、模擬試験を受けるというのは、アウトプットです。ただ、教科書を反復して暗記するだけでは、記憶には残りません。問題を解く=「知識を使う」ことで、脳は記憶に残そうとするのです。
インプットとアウトプットの黄金比は、3対7です。短時間で教科書を暗記し、その倍の時間を、問題を解くことに振り向ける。
これが最も効果的な記憶法、勉強法といえます。
引用文献『学びを結果に変える アウトプット大全』(樺沢紫苑著 サンクチュアリ出版)