勉強するうえで、心にとめておいてほしいことがいくつかあります。
一つは、「結果」ではなく、そこまでの「過程(プロセス)」が大事だということです。社会で活躍している人たちには、結果よりもプロセスを重視している人が多いのです。がんばってもすぐには結果が出ないこと、成果が出るまでにある程度の時間を必要とすることはたくさんあります。すぐにあきらめてしまっては、何も始まらないのです。
一生懸命勉強しても、成績が上がらなかった。つまり結果が出なかった、ということもあるでしょう。でも、がんばって勉強したことで、確実に自分は向上しているはずです。その「がんばって勉強した」というプロセスを、自分自身で評価することができれば、勉強を続けていくことができます。
結果だけを気にしていると、
「ああ、点数が下がったからもうダメだ。勉強はやめよう」
「点数が上がったから、もう勉強しなくてもいいや」
と、結果に一喜一憂して振りまわされることになります。
結果はあとからついてくるものとして、プロセスを大事にすること、さらにいえば、プロセスを楽しむことが重要です。つらいことは長続きしません。
勉強も同じで、楽しくなければ続きません。一生懸命勉強して科学者や法律家になったという人は、基本的に楽しんで勉強しています。歯を食いしばりながら、つらい勉強に耐えてきたわけではないのです。
いやいや勉強していると、絶対に花開くことはありません。たとえば、数学の勉強が嫌いなら、何らかの方法で好きになるようにすることを考えたらいいと思います。それでもどうしても好きになれないなら、その勉強はやめて、別のことをやったほうがいいでしょう。
もっと自分に向いていることが、ほかにあるはずです。そういったものを楽しみながらやっていくほうがプラスになると思います。
ポイント 勉強は楽しくなければ長続きしない。
引用文献『学年ビリから東大へ進み、作家になった私の勉強法』(竹内薫著 PHP研究所)