自分が生きていく社会の“現実”を知る(和田秀樹)

過去最高の失業率、格差拡大、内定取り消し、年間の自殺者3万人以上……。世の中は暗いニュースであふれている。

 しかし、どこか他人事のようで「自分には関係ない」と感じているのではないだろうか。

 そうだとすれば、それはある意味でキミが幸せだからだ。

 世の中には、経済的事情で大学進学をあきらめなければならない高校生もいる。家計を助けるために、働きながら夜間学校に通っている高校生もいる。

 今は他人事でもすまされるだろう。

 住む場所も食べるものも、親が用意してくれる。親に守ってもらえる。

 しかし、近い将来、それもあと5、6年後には社会に出て、厳しい現実を生き抜いていかなければならない。

「就職できなければフリーターで食いつなぐさ」

 (おど)すわけではないが、気楽にそう思っている人は、かなりの確率で本当にフリーターやニートになってしまうだろう。

 一度でもフリーターになった人を、企業は正社員として積極的に(やと)おうとしない。フリーターから正社員になれる確率は非常に低い。これも大きな社会問題になっている。

 こうした社会の厳しさを“他人事”としてしか感じられないのは、社会の「本当の現実」を知らない、あるいは知ろうとしないからではないか?

「自分」の力で厳しい社会を生き抜く

 頼りにできるのは「自分」だけ。

 この主役意識が「受験勉強をする自分」と「社会で生き抜く自分」をリンクさせる。

 まずは社会の現実を知ることから始めよう。

 厳しい現実社会を知れば、勉強によって身を立てるしかないと思えるようになる「イヤでも頑張ろう」という気になれる。

時にはビジネス系雑誌を読んでみよう

「フリーターと正社員の生涯賃金の差は3億円」。新聞やテレビは生々しい現実を伝えてくれない。よりリアルな社会の実態を知りたければ、『プレジテント』や『週刊東洋経済』のような経済誌を読んでみるといい。

引用文献『和田式 勉強のやる気をつくる本 やれない自分を変えるちょっとしたアイデア75』

(和田秀樹著 学研教育出版)

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