受験勉強で身につく能力が社会でも役立つことを知る(和田秀樹)

「受験勉強なんて社会に出たらなんの役にも立たない」

 そんなことを言う大人が少なくない。

「確かにそうだよな」と簡単に納得しないでほしい。

 実は、受験勉強を頑張ることで、社会で生きていくために必要とされる能力の多くが身につく

 受験勉強で暗記した内容が社会に出て役に立つかどうかはわからない。しかし、受験勉強で身につけた暗記法、勉強のノウハウなどはすぐにでも仕事に活かせる。

 たとえば、キミが営業の仕事に()いたとする。

 自社商品の名前や種類、機能などを暗記して、きちんとお客に説明できるようにしなければならない。受験生時代に身につけた効率的な暗記術がさっそく活きる。

 企画書を書くために、インターネットで海外の資料や文献に目を通す。受験勉強で鍛えた英語の速読力や要約力がここでもさっそく活きる

 売り上げ目標になかなか届かない。営業の能力がないのではなく、売り方に問題があると考えてやり方を変えてみる。営業成績のいい人から売り方のコツを聞き出す……。

 これらは受験勉強を通じて身につく能力だ。

 自分で目標を立て、それを達成するために「何を、どうすればいいか」を考え実行する。自分のもっている知識を使って推論しながら問題解決の糸口を見つける……。

「目標設定能力」や「計画立案能力」「計画遂行能力」「問題解決能力」など受験勉強で身につけた能力は、社会に出て仕事や研究をするときにも必ず役立つ。

 仕事が充実すれば、人生も充実する。

 受験勉強をがんばることで、人生を充実させるための能力やノウハウも手に入れることができるのだ。

“受験勉強の効用”をもっと知りたい人は……

受験勉強で培った知識や能力は、大学生や社会人になってからも役立つ。どう役立つのかを知りたい人は、拙書『なぜ数学が得意な人がエグゼクティブになるのか』(毎日新聞社)を一読してほしい。

引用文献『和田式 勉強のやる気をつくる本 やれない自分を変えるちょっとしたアイデア75』

(和田秀樹著 学研教育出版)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次