勉強は 「 結果」ではなく、がんばったという「 過程」が大事(竹内薫)

 勉強するうえで、心にとめておいてほしいことがいくつかあります。

 一つは、「結果」ではなく、そこまでの「過程(プロセス)」が大事だということです。社会で活躍している人たちには、結果よりもプロセスを重視している人が多いのです。がんばってもすぐには結果が出ないこと、(せい)()が出るまでにある(てい)()の時間を(ひつ)(よう)とすることはたくさんあります。すぐにあきらめてしまっては、(なに)(はじ)まらないのです。

 (いっ)(しょう)(けん)(めい)(べん)(きょう)しても、(せい)(せき)が上がらなかった。つまり(けっ)(か)が出なかった、ということもあるでしょう。でも、がんばって勉強したことで、(かく)(じつ)(じ)(ぶん)(こう)(じょう)しているはずです。その「がんばって勉強した」というプロセスを、(じ)(ぶん)(じ)(しん)(ひょう)(か)することができれば、勉強を(つづ)けていくことができます。

 結果(けっか)だけを()にしていると、

「ああ、点数(てんすう)()がったからもうダメだ。勉強はやめよう」

「点数が()がったから、もう勉強しなくてもいいや」

 と、結果(けっか)(いっ)()(いち)(ゆう)して()りまわされることになります。

 結果(けっか)はあとからついてくるものとして、プロセスを大事(だいじ)にすること、さらにいえば、プロセスを(たの)しむことが重要です。つらいことは(なが)(つづ)きしません。

 勉強も(おな)じで、(たの)しくなければ(つづ)きません。(いっ)(しょう)(けん)(めい)勉強して()(がく)(しゃ)(ほう)(りつ)()になったという人は、()(ほん)(てき)(たの)しんで勉強しています。()()いしばりながら、つらい勉強に()えてきたわけではないのです。

 いやいや勉強していると、(ぜっ)(たい)(はな)(ひら)くことはありません。たとえば、数学の勉強が(きら)いなら、(なん)らかの方法(ほうほう)()きになるようにすることを(かんが)えたらいいと(おも)います。それでもどうしても好きになれないなら、その勉強はやめて、(べつ)のことをやったほうがいいでしょう。

 もっと自分に()いていることが、ほかにあるはずです。そういったものを(たの)しみながらやっていくほうがプラスになると(おも)います。

ポイント 勉強は(たの)しくなければ(なが)(つづ)きしない。

引用文献『学年ビリから東大へ進み、作家になった私の勉強法』(竹内薫著 PHP研究所)

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