「7回解き」で解き方の基本をたたき込む(山口真由)

絶対(ぜったい)けるというレベルまで高めておく

 私はどちらかというと算数は苦手でした。算数が得意な人は論理的思考力(ろんりてきしこうりょく)()けているのに加え、数学的直感も備わっています。論理的というのは、「A→B」「B→C」「C→D」と順を追って答えを導くこと。数学が得意な人たちは、さらに、「AだったらD」と、その()(ちゅう)を飛び()えて考えられるセンスを持っているのではないでしょうか。残念ながら私はそういうタイプではありませんでした。「A→B」「B→C」「C→D」という基本に沿()って解答にたどりつくことしかできません。

 ただ、大学入試くらいまでの数学であれば、解き方のパターンさえ覚えれば、乗り越えられると思います。試験では、見たことがない問題から、新しい解法を考えるなんてことはありません。むしろ、問題を読んだ後、いかに()(ばや)く解き方のパターンを選べるかが、勝負なのです。算数が苦手な子こそ、「7回読み」を応用した同じ問題「7回解き」で解き方のパターンを覚えこんでしまうことが有効です。

【子ども版「7回解き」のやり方】

●算数の場合は(九九や計算など基礎はできていることが(ぜん)(てい))パート単位で7回繰り返します。

●「7回読み」では逆戻りして読むことはありませんが、「7回解き」では、分からなければ逆戻りします。「これどう解くんだっけ?」とつまずいたら逆戻りします。

●「7回読み」では、3回までを土台づくりにあてますが、「7回解き」では5回までが土台づくり。より念入りに基礎固めをします。

【1回目】算数や数学の教科書はテーマごとに「基本解説」と「例題」があり、「練習問題」と応用問題」で(じっ)(せん)するという、4段階の(こう)(せい)となっています。1回目は全体を()(あく)するために、「基本解説」と「例題」をさらっと読みます。公式や太字など目立つところを(なが)める感じでOK。「例題」では答えをみてしまいます。

【2回目】「基本解説」と「例題」を1回目の2倍くらいの時間をかけて読みます。例題は太字以外も読み、解き方の流れをつかみます。公式は形として(にん)(しき)

【3回目】「基本解説」と「例題」を読みながら、公式や太字になっている部分を書き出し、「例題」の解き方も書き出します

【4回目】「基本解説」と「例題」をさらっと読んだ後、「練習問題」に入ります。解答ページを開いて解き方をそのまま書き出しながら、解き方の流れを追っていきます。このとき、途中の数式を飛ばさず、丸ごと書き出すことを心がけましょう。

【5回目】4回目と同様に書き出し、解き方のパターンを理解します。理解度は7~8割に。

【6回目】これまでやってきた基本の確認をします。「基本解説」と「例題」の公式や太字を書き出しながら、要点を確認し、とうとう応用問題にチャレンジ。ここでは解答の要点だけ書き出します。まだ解きません

【7回目】 6回目で覚えた解き方のパターンを確認し、「練習問題」と「応用問題」を解答を見ないで解いてみます。分からない問題があったら、そこだけ解説を見て、最後は全部解けるようになるまで繰り返します。

 このように同じ問題を繰り返し解き、「絶対解ける」レベルまで高めておくと、応用問題に立ち向かう力がつきます。直前に志望校の過去問題に取り組めばOKです

ここがポイント!

●算数・数学は「7回解き」で解き方のパターンを定着させる

引用文献『東大首席・ハーバード卒NY州弁護士と母が教える合格習慣55』(山口真由著 学研プラス)

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