なぜ勉強するのか、自分なりの答えを出しておく(和田秀樹)

「なぜ勉強するのか」。勉強の意味や勉強することの価値を見出せれば、勉強も苦ではなくなる。

 勉強の意味については、いろいろな人がいろいろなことを言っている。「そうかな」と思うこともあれば、ピンとこないこともあるだろう。

 人から言われて「なんとなく納得する」より、自分なりの答えを出すほうがスッキリとした気持ちで勉強に向かえる。

「将来やりたいことを実現させるため」でも「大学でたくさんの友人をつくるため」でもいい。「ブランド大学に受かればモテるから」という理由だって悪くない。

 自分が本当に納得できる答えならなんでもいいのだ。

 ただ、ひとりでジッと考え込んでいても、簡単には答えが出てこないかもしれない。

 いろいろな人の意見を聞いてみて、そこから自分なりに考えたり調べたりする。そのくらいはやってみてほしい。

 たとえば、「大学くらい出ていないと食っていけない」と親や教師に言われても、今の時代、大学に行かずにフリーターになっても食っていけるじゃないかと思う。

 そう思ったら、フリーターについてちょっと調べてみる。

 彼らの年収、生活の様子、将来に対する意識など、ネットで検索すればいくらでも資料が出てくる。

 自由で気楽に見えるフリーターも、その悲惨な現実を知ると「ヤバい」と思うだろう。だったら「フリーターにならないために頑張って勉強する」でもいい。

 私は、「人生の選択肢を広げるための受験勉強」ととらえている。これをどう(かい)(しゃく)するかはキミしだいだ。

 就職事情や国家資格合格者数など、大学卒業後の進路を調べてみれば、おのずと自分なりの答えが見つかるだろう。

“否定形の願望”から勉強の意味を見出す

勉強を「夢を実現するための手段」ととらえるのはいい。現代の格差社会では、「ニートになりたくない」とか「低く見られたくない」という“否定形の願望”から勉強に意味を見出すのも、現実的で身に(せま)るものがある。

引用文献『和田式 勉強のやる気をつくる本 やれない自分を変えるちょっとしたアイデア75』

(和田秀樹著 学研教育出版)

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