塾に通っても効果半減! NG 行動集(高野良太)

  • 安易な遅刻や欠席が多い

塾生にはよく、「安易な理由で遅刻や欠席をしているようでは成績を伸ばすことができません」と言っています。欠席であれば授業を受けていない状態になるので、授業を受けたときよりも理解度が下がるのは容易に想像することができます。

 一方で遅刻はどうでしょうか? 3分・5分くらいなら最初は前回の確認テストをやっているだけだから授業の本格的な内容ではないから、聞き逃しているものはない、黒板やホワイトボードに書いてあるものをさっと写せばすぐに追いつくことができると思われがちですが、そんなことはありません。

 もちろん私も塾の先生ですから3分・5分遅れてきてもそれほど支障があるケースは多くはありません。3分受けなければ成績が下がる、5分受ければ受けていない生徒よりも成績が上がるなんで魔法のような授業はしていません。

 しかし、私は合理的に大丈夫かどうかではなく、気持ちの面で大丈夫かどうかのほうが大きいと考えています。「3分遅れても大丈夫!」「5分くらいなら遅刻しても問題ない!」という気持ちで塾に通うのか、それとも「もう塾の時間が始まっちゃう。急がないと!」という気持ちで勉強に取り組んでいるかはかなり大きな差になります。

  • たくさん参考書や問題集を用意して中途半端に解いていく

 成績を伸ばすために本屋で参考書や問題集を見て買ってしまう気持ちはわかりますが、今やっていることを完璧にできるようにしましょう。その上で、問題集を1冊用意してやっていけば効果は上がるでしょう。

 しかし、塾の教材を中途半端にして、本屋で買った問題集は最初だけやって、先輩からもらった参考書を少しだけ読んで、早く高校入試が終わった同級生の友達からもらった問題集も手を出してみて……こんな勉強では成績は上がりません。例えるなら、風邪をひいたときに朝はAという風邪薬を飲んで、昼にはBという風邪薬を飲んで、夜にはCの風邪薬を飲んでいるようなものです。

  • 保護者の協力やサポートが少ない

 塾に通い始める前には、どこの塾に通おうか、お子様とよく話して一大決心をして通塾に至っていると思います。

 しかし、通わせたら「もう保護者の役割は終わり。あとはお金を払うだけ」というのは大きな間違いです。逐一、その日の授業の出来事を聞く必要はありませんが、1ヶ月に1回くらい、あるいは模試の前後や保護者面談の前には塾のことや高校受験のことを時間を取って話す必要があります。子どもはどんなことに困っているのか、どうしたいと思っているのかを聞く時間と、お父さんお母さんがどんなことを考えているのか確認し合いましょう。

 学習塾はあくまでも成績を伸ばすための補助機関にすぎません。最後に机に向かうのは本人次第ですし、覚えるものを覚えるかどうかも本人次第です

 しかし、その子どもたちに最も影響を与えるのは「家庭環境」であり、「お父さん、お母さんの言葉」です。塾を最大限活用するかどうかも、ご家庭の判断で決まることがあります。すべてを頼り切るのではなく、ペースメーカーとして最大限利用できると最も成果が上がるはずです。

引用文献:『最も効率良く成績を上げる 中学生の戦略的勉強法』(Dr. 関塾志津駅校 高野良太著 エール出版社)

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