成績を上げる基本の身につけ方(高野良太)

勉強の基本は覚えること

成績アップの土台は暗記力

 勉強の土台は覚えること、つまり暗記してから始まります。中学生であれば、「1+3=4」、「8×5=40」、日本の首都は「東京」、焼肉定食は「やきにくていしょく」と読むのは常識だと思います。こういった計算や、地理、漢字は毎回考えながら答えているのでしょうか。そんなことはないはずです。もはや常識的に頭の中で覚えていて、すぐに答えられるようになっているはずです。

 最近では、思考力、判断力、推理力などが(さわ)がれていますが、こういった学力を身につけるためにはまず土台となる基本的な知識を持っていなければなりません

 中2の社会で中国・四国地方について勉強するときに、中国・四国地方の県名や県庁所在地を覚えていなければ、いくら気候の話(夏は南東の季節風が吹いて南四国では夏には雨が多い。冬は北西の季節風が来て日本海側は雨や雪が多い。瀬戸内海周辺は四国山地と中国山地の影響で雨が少ない)をしたところで、点と点だけのつながりになってしまいます。この点と点を結ぶ線を引けるようになることで本当の意味での理解につながります。

「瀬戸内海沿岸は降水量が少ないから、どんな工夫をしていたのか? 温かい気候を利用した農業とは?」という質問に対して、思考力を凝らして解答できるようになると、「水をあまり必要としない小麦の栽培や、うどん」の話につながっていきます。かつては水を蓄えるためにため池を作ってもいました。温かい気候を利用して「高知平野では促成栽培をして出荷時期を早めて高値で売れる工夫」をしています。こうやって関連付けをしながら覚えることができると線として結びついた知識になっていきます。

勉強の基本は問題を解くこと

ノート作りに時間をかけてはいけない

 勉強するときに学校の教科書や参考書を開いて、書いてあることをまとめたり、写したりしている生徒を見かけることがあります。また、中にはノートをさらにまとめたり、蛍光ペンを使ってひたすら線を引いたりして覚えようとする光景も見ます。こういった勉強はあまり効果的だとは言えません。

 もちろん多少は時間をかけてノート作りのようなことをやることはありますが、最も時間をかけなければいけないことはどの科目においても「問題を解く」ことです。

 定期テストも高校入試も問題を解いて解答していく形式です。決してきれいに写したり、まとめたりする能力を確かめられているわけではありません。問題を解けるようにすることが最終的なゴールなわけですから、問題を解くことに時間をきましょう

 例えば水泳のクロールで早く泳げるようになりたいという生徒がいたとします。タイムを縮めるためにどんなことをしますか。体力をつけるためにランニングをするでしょう。座学として泳ぎ方のフォームを確認するでしょう。筋トレもするでしょう。しかし、一番時間を割くのはとにかくプールの中で泳ぐことのはずです。どんなに筋トレをやっていても泳がなければクロールのタイムを縮めるのは難しいはずです。

 勉強も同じです。最後は問題を解くということが求められているわけですから、問題を解くことに時間をかけるのは当然です。ノートをまとめて、満足することが決してないようにしてください

引用文献:『最も効率良く成績を上げる 中学生の戦略的勉強法』(Dr. 関塾志津駅校 高野良太著 エール出版社)

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