定期テストの答案が返却される。得点を見ると前回よりもよくできている。ちょっとうれしい。
でも、隣の子の答案をチラッと覗いてみたら、自分よりはるかにいい点を取っている。「5点上がったくらいで喜ぶ自分」が恥ずかしくなる……。
いやいや、そんなことはない。大いに喜んでいい。いや、喜ばなければならない。
うれしいときに喜ぶ。悲しいときに泣く。負けたときには悔しがる。それが人間の自然な感情表出だ。
自然にわきあがってくる感情を抑圧するうちに、感受性が鈍化して、何事にも無感覚になってしまう恐れがある。
いい点を取ってうれしいから、「頑張ってもっといい点を取ろう」という気になる。喜びが大きければ、それだけ“やる気度”もアップする。
ほかの人と比べる前に、自分が進歩したことを素直に喜ぼう。5点上がったということは、その5点分、前回よりも努力したということだ。
努力した結果としてのプラス5点。小さいように見えてしまうが、それを積み重ねていくことが今は大切だ。
ウサギとカメ。最後に勝つのはカメだ。
失敗したときは、心の底から悔しがろう!
「悔しさをバネにして頑張る」。うれしさと同様、「悔しさ」もやる気を高める原動力になる。だから、テストで失敗したときは、心の底から悔しがろう。無理に平静を装っても、得することは何ひとつない。
引用文献『和田式 勉強のやる気をつくる本 やれない自分を変えるちょっとしたアイデア75』
(和田秀樹著 学研教育出版)